結構重要【IPv6とIPv4】や【IPoEとPPPoE】の違いを解説

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回線契約する時に、IPv6やらIPoEやら、IPv6(IPoE)+IPv4 over IPv6とか色々目にすると思います。

・・・意味分かります?

各プロバイダが適当に説明してて、「IPv6にすれば速くなる」という勘違いされている方も多いです。

川浪 大典

「IPv6で最速!」みたいに広告でていますが、実際は違うので注意

ではさっそくこの記事の結論です。

とりあえずIPv6(IPoE)+IPv4 over IPv6にしておけば回線速度が改善される可能性はありますが、中身を理解しておきたいという方はぜひこの記事を読んで理解を深めてください。

ざっくりいうと「IPoEが速い接続方式で、IPv4も無理矢理IPoE接続で通しちゃうよ~!」というのがIPv6(IPoE)+IPv4 over IPv6です。

「IPv6(IPoE)+IPv4 over IPv6すれば絶対に速くなる」わけではないことを念頭においておきましょう。

個人向けインターネット回線で速度の担保はできません。

※今回の記事はNTT回線を利用したフレッツ回線、コラボ光利用者に関係がある内容です。
電力系やダークファイバー(au光やNURO光など)は話が変わってきます。

※この記事で解説するIPアドレスはグローバルIPアドレスを指しています

この記事を書いた人
川浪 大典

光回線コンサルタント

大手光回線の訪問販売5年
常に売り上げトップ3位以内
5社を超える代理店に光回線の教育
スマホ,PC等の販売、初期設定3年
個人宅のWi-Fi調査500件以上
デジタル庁から【デジタル推進委員】に任命
一般社団法人 日本支援技術協会から【デジタルアクセシビリティアドバイザー】に任命

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目次

IPアドレスとは

IPv4やIPv6を解説する前にIPアドレスから説明しないと理解できないのでそこから解説します。

一言でいうと、IPアドレスとは
「インターネット上の住所」

「192.168.0.2」のようなピリオドで区切られた数字で、ネットワーク上の各機器に割りふられます。


例えば郵便物を誰かに出す際には送り元と送り先の記載が必要ですよね。

インターネット上の通信でも現実世界の郵便と同じように相手先の住所(=IPアドレス)を指定しないと、データをどこに送ればいいのか分からないのでとても重要です。

誰から送られたか分からないと困るので、送り元にも必ずIPアドレスがあります。

IPアドレスは被ってはいけない

IPアドレスという名の住所が被っていたらマズイということは、なんとなく想像に容易いと思います。

米国の非営利団体ICANNによりIPアドレスは管理されていて、重複は許されないようになっています。

実はこのIPアドレスの数が足りなくなってきていて、「IPアドレスの枯渇問題」がでてきています。

次の章で解説しますね。

IPv4とは ~IPアドレスの枯渇~

IPアドレスは約50年前に策定されたIPv4という仕組みでIPアドレスが運用されています。

50年前にはこんなにインターネットが普及するとは思ってなかったんでしょう。

IPアドレスの数は43億個あるのですが、インターネットの利用者数が爆発的に増加して足りなくなってきています。

今では世界の人口は現在80億人を突破しました。

川浪 大典

人口より少ないならそりゃあ足りなくなりますよね。

そこで登場したのがIPv6です。

IPv6とは

IPv4の制限を克服するために「IPv6」という新しい仕組みが採用され、IPアドレスの枯渇問題に対する解決が進められています。

IPv6のIPアドレスの数は約340澗です。(澗とは兆の位の7個上の位なので無限と考えていいでしょう)

IPv6を導入しても速くならない

「IPv6は高速通信」ということを聞いたことがある方は多いと思います。

しかしそれは間違っていて、IPv6にすると速くなるわけではなく「IPoE」という接続方式により混雑する場所を回避するから結果的に速くなります。

今までの説明の通りIPアドレスはただの住所ですからね。

川浪 大典

住所を増やしても速くはならず、道順(=接続方式)が速さの鍵を握ります。

IPv6とIPv4の利用できる接続方式

接続方式は「PPPoE」と「IPoE」の2つがあります。

IPv6

「PPPoE」と「IPoE」2つの接続方式に対応しています

IPv4

「PPPoE」接続しか対応していません

しかし後述するIPv6(IPoE)+IPv4 over IPv6という方式を採用すれば、IPv4はPPPoEにしか対応していないという問題をクリアすることができます。

まずは理解を深めるためにPPPoEとIPoE接続の違いを次の章で解説します。

川浪 大典

IPv6に対応しているだけじゃなく、「IPv6(IPoE)+IPv4 over IPv6」という方式で通信ができるかどうかが重要です!

PPPoEとIPoEの違い

スクロールできます
PPPoE(旧方式)IPoE(新方式)
接続設備網終端装置が必要網終端装置が不要
速度の低下混雑時に遅くなる可能性あり速度低下が少ない

従来の方式である「PPPoE」の場合、フレッツ網とプロバイダーを接続する際に、接続口となる「網終端装置」という設備を使用しなくてはなりません。

インターネットの利用者数は増え続けているのに、「網終端装置」の設備を増設することは簡単ではないため、基本的に昔のままです。

その結果「網終端装置」が原因となって混雑が起き、速度が遅くなります。

これに対して、「IPoE」は遅くなる原因の「網終端装置」を必要としません。

VNE事業者という接続事業者が提供するネットワークを介して直接インターネットに接続するので、PPPoE接続に比べて安定した速度を保つことができます。

しかしIPv6 IPoE 接続にはデメリットがあります。

IPoE方式のデメリット

「IPv6 IPoEは通信速度が速いなら、利用したい」と思われた方がいるかもしれません。

しかし、現実はそう簡単にはいきません。


IPoE方式はIPv6のみに対応しているため、アクセス先のWebサイトがIPv6に対応している必要があります。

しかし現在はIPv4からIPv6へ移行している時期で、IPv6に対応していないWebサイトは数多く存在します。

その問題を乗り越える技術として登場するのが「IPv4 over IPv6」です。

IPv4 over IPv6

IPv4 over IPv6とは、IPv4専用サイトでも、IPv6接続できるように変換してくれるのでIPoE接続のままIPv4もIPv6も扱うことができるわけです。

IPoE接続でIPv6が利用できるのはもちろん、IPoE接続でもIPv4が利用できるという、いいとこどりなのがIPv6(IPoE)+IPv4 over IPv6です。

IPv6(IPoE)+IPv4 over IPv6のサービス名がプロバイダによって違う

この「IPv6(IPoE)+IPv4 over IPv6」のサービス名がプロバイダによって違うのですが、IPv6(IPoE)+IPv4 over IPv6なのは間違いないので安心してください。

下表はプロバイダごとのIPv6(IPoE)+IPv4 over IPv6の名称です。

スクロールできます
コラボ光IPv6(IPoE)+IPv4 over IPv6のサービス名
So-net光V6プラス
ソフトバンク光IPv6高速ハイブリット
IPv6 IPoE+IPv4
OCN光OCNバーチャルコネクト
excite MEC光transix
Asahi Net光v6コネクト
楽天ひかりクロスパス
ドコモ光プロバイダによって異なる

しかし詳細に見ると中身は別物で、採用方式やVNE接続事業者が違います。

新規で光回線を引く場合は気にしなくても問題ないことがほとんどですが、プロバイダ変更やコラボ事業者を変更する場合は採用方式やVNE接続事業者が重要になってきます。

川浪 大典

具体的には、既存のプロバイダにフレッツv6オプションの廃止を申し込まないといけません。

ここに関しては今回の記事とは無関係なので割愛します。

「IPv6対応」でも「IPv6(IPoE/IPv4 over IPv6)」が使えない場合がある

「IPv6対応」や「IPv6(IPoE)対応」と謳っている光回線のほとんどはIPv6(IPoE/IPv4 over IPv6)に対応しています。

ですが、中には「IPv6(PPPoE)」に対応しているだけの場合があったり、IPoEには対応しているけどIPv4 over IPv6には対応していない、といった場合も稀にあります。

よほどマイナーな回線でない限り大丈夫だと思いますが、しっかりホームページで確認しましょう。

IPv4 over IPv6以外の方式

IPv4 over IPv6以外にデュアルスタック方式というものがあります。

スクロールできます
方式IPv6のWEBサイトへの接続方式IPv4のWEBサイトへの接続方式
IPv4 over IPv6
(フレッツ・光コラボ)
IPoE接続IPoE接続
デュアルスタック
(独自回線系)
PPPoE接続PPPoE接続

デュアルスタック方式は、電力会社系光回線やauひかり、NURO光などの独自回線採用されています。

IPoE接続はNTTの技術なので、独自回線はPPPoE接続しか存在しません。

ですが、独自回線はPPPoE接続だから遅いということではなく、利用者数がNTT回線に比べて少ないのでそもそも混雑しにくいという面があります。

まとめ

最後に「【IPv6とIPv4】や【IPoEとPPPoE】の違い」についてのまとめです。

  • IPv6だから速いのではなく、IPv6(IPoE/IPv4 over IPv6)を使うから速い
  • 契約する時にはIPv6(IPoE)+IPv4 over IPv6に対応してるかどうかが重要
  • IPv4 over IPv6が採用されてからは、昔ほど速度は遅くなりにくくなった

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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