「インターネットが遅い」
「ゲームがカクつく。Pingが重要?」
「レイテンシ?何それおいしいの?」
インターネットが不安定になってしまうのには様々な要因があり、それらが複雑に絡み合って速度を形成しています。
その中で、この記事では通信速度に焦点を絞って解説をします。
インターネットを快適に利用するためにググると、聞いたことはあるけど意味が分からない単語がいっぱいでてきませんか?
Mbps/レイテンシ/Ping/ジッター/アンローデッド/ローデットなど
通信速度が遅い、オンラインゲームがカクつくなどの症状の方は、これらの単語の意味と関係性を知って改善していきましょう!
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Mbps/レイテンシ/Ping/ジッター/アンローデッド/ローデットの違い一覧表
以下に「Mbps」「Ping値」「レイテンシ」「ジッター」を項目ごとにまとめた表を作成しました。
項目 | 定義 | 主な用途 | 数値 |
---|---|---|---|
Mbps | データ転送速度の単位 1秒間に転送できるデータ量を表す | ダウンロード速度やアップロード速度の快適さを表す指標として利用 | 高いほど良い |
ping値 | サーバーへのデータ送信と応答が戻るまでの往復時間を測定した値 | 応答速度を確認するための指標として利用 | 低いほど良い |
レイテンシ | サーバーへのデータ送信と応答が戻るまでの片道時間を測定した値 (Ping値と同じ往復時間を示す場合もある) Fast.comでは負荷なしと負荷あり測定に分けられる | 負荷による遅延の違いも含め、応答速度を測定する指標として利用 | 低いほど良い |
ジッター | Ping値の変動の度合いを示す指標 データの到着時間のばらつきを意味する | インターネット通話やビデオ会議など、遅延の変動が影響を及ぼすサービスの品質を確認するために利用 | 低いほど良い |
測定サイトによって測定できる項目が多少違いますが、有名な測定サイトはUSENスピードテスト、Fast.com、Speedtest、みんなのネット回線速度あたりです。
測定サイトによって数値が全然違う
測定結果は、各測定サイトで結構数値が変わります。
これは測定サイトによって測定方法やサーバーも異なるため、数値にバラつきがあるのは自然なことです。
しかし人によっては、「どれが本当の数値なのか?」と速度測定の沼にハマってしまう方がいます…
測定数値は目安程度の気持ちで。
Mbpsとは
Mbpsとは、1秒間に送受信可能なデータ量を表す単位のことです。
単位は下表の通り、K→M→Gの順で大きいです。
Kbps | 1,000bps=1Kbps |
---|---|
Mbps | 1,000Kbps=1Mbps |
Gbps | 1,000Mbps=1Gbps |
Mbpsの数値が大きいほど 1秒間に転送できる量が多いので通信速度が速くなりますが、それだけではインターネットの快適性は判断できません。
後に紹介するPing値やレイテンシ、ジッター値なども重要な指標です。
上り・下りとは
通信速度には「上り」(アップロード)と「下り」(ダウンロード)があり、これは通信方向を示しています。
下りの方が利用頻度が高いため、重視されるのはどちらかというと下りのMbpsの数値です。
- 上り(アップロード)
-
インターネット上へファイルを転送するの通信のこと。
(例)メール送信・SNSへの投稿・Zoomなど
- 下り(ダウンロード)
-
インターネット上からファイルをパソコンや携帯電話に受け取るの通信のこと。
(例)メール受信・サイト閲覧・動画視聴
通信速度で必要な数値の目安
下表は通信速度の目安です。
利用環境にもよりますが、快適に利用するなら50Mbpsは欲しいといったところ。
通信速度実測値の目安 | |
---|---|
100Mbps以上 | 【すべて快適】 ・大容量ファイル転送 ・オンラインゲーム |
50〜100Mbps | 【快適】 ほとんどのネット利用は快適にできる |
10〜50Mbps | 【普通】 一般的なネット利用では気にならない |
1〜10Mbps | 【少し低速】 遅さでストレスを感じる方もいる |
1Mbps未満 | 【低速】 サイト閲覧やLINEなどの利用は遅いが可能 |
応答速度を表す数値、Ping値とレイテンシ
インターネットを快適に使うには応答速度が大事です。
インターネットはデータの送受信をデバイスとサーバー間で行っているので、このやり取りの時間が速ければ速いほど快適になります。
そこで重要となる指標がPing値とレイテンシです。
Ping値とは
Ping値とはインターネット回線の応答速度を示す数値のことで、データが送信元から目的地まで往復する時間を表します。
ネットワークの遅延状況を簡単に把握でき、現在の状況を測るシンプルな測定です。
Ping値は低ければ低いほど往復時間が短いということなので、より良い状態と言えます。
レイテンシとは
レイテンシとは送ったデータが届いた(片道)時間、またはそれが帰ってきた(往復)時間です。
「レイテンシ」は基本は片道時間のことを指しますが、場面によっては往復時間のことを指している場合があります。
そのため単に「レイテンシ」と表現すると、往復なのか片道なのか分からないので「往復レイテンシ」や「片道レイテンシ」と言うことがあります。
普通は、レイテンシ=応答時間と覚えればOK
レイテンシは、ゲームやビデオ通話などリアルタイムのやりとりが求められるサービスで重要で、値は低いほど反応が速いので、低い数値の方が良いです。
レンテンシには画像にある通り、アンロード済み(アンローデッド)とロード済み(ローデッド)の2種類があるので、それぞれ解説します。
アンロード済み(アンローデッド)とは
アンローデッドとは、ネットワークに他の負荷がない状態(他の人が動画を見たり、データを使っているなど)での応答時間です。
いわゆる、「理想な状態での計測結果」ということです。
ロード済み(ローデッド)とは
ローデッドとは、ネットワークに負荷がかかっている状態での応答時間です。
例えば、ゲーム中に他の人が同じネットワークで動画を視聴すると、応答時間が長くなり動作が遅く感じることがあります。
そのため複数人でインターネットをする場合は、この値が参考になります。
レイテンシの目安
レイテンシの目安の数値を下表にまとめました。
インターネット 利用方法 | レイテンシ値の目安 |
---|---|
WEBサイトの閲覧 | 100ms以下。50ms以下なら快適 |
WEB会議 | 50ms以下。15ms以下なら快適 |
動画視聴 | 50ms以下。30ms以下なら快適 |
オンラインゲーム | 30ms以下。15ms以下なら快適 |
レイテンシとPing値の違い
Ping値がデータの往復にかかる時間を指すのに対し、レイテンシは片道もしくは往復時間を指しています。
Fast.comではレイテンシは「応答時間」に加えて負荷の影響を考慮した数値(ロード済み)も表示されています。
項目 | Ping値 | レイテンシ |
---|---|---|
意味 | ネットワークの往復応答時間のシンプルな測定 | 負荷のある状態とない状態の両方での応答時間を測定 |
目的 | ネットワーク全体の健康状態のチェック | 実際の使用環境に近い応答速度の把握 |
主な用途 | 一般的なネットワークテスト | FAST.comなどでの、実際の負荷に基づく速度評価 |
測定状態の違い | 負荷を考慮しないシンプルな往復時間の測定 | 負荷がない(アンローデッド)とある(ローデッド)の応答時間を測定 |
ジッターとは
ジッターとはPing値のゆらぎを表します。
簡単に言えば、「応答時間が一定でない」ということです。
ジッター値が大きいと、データの到着タイミングが不規則になり、リアルタイム通信での影響が大きくなります。
影響が大きくなるとラグが発生してしまい、快適にインターネットが利用できません。
Jitter値 | 安定性 |
---|---|
0〜5ms | おおむね安定 |
6〜10ms | やや安定 |
11〜20ms | 基準よりやや高め |
21〜50ms | やや不安定 |
51ms〜 | 不安定 |
オンラインゲーム(特にFPS)は、1ms程度のジッター値が理想です。
ジッターの影響
ジッター値が大きいと、次の影響があります。
- ビデオ通話や音声通話
-
音声や映像が途切れたり、音が歪んだりします。
- オンラインゲーム
-
反応が不規則になり、操作と画面上の動きが一致しない「ラグ」が生じやすくなります。
- ストリーミング
-
音声や映像が不安定になることがあり、滑らかな再生が難しくなります。
Mbps/レイテンシ/Ping/ジッター/アンローデッド/ローデッド値の改善方法
Mbps/レイテンシ/Ping/ジッター/アンローデッド/ローデッドは通信速度や安定性を良くするために重要な指標です。
これらの数値を良くする改善方法は以下の5つ。
- 有線LANにする
- Wi-Fiなら機器との距離を近づける
- 5GHz接続にする
- 接続端末を減らす
- 光回線にする
これらを試しても改善されない場合は、プロバイダの変更を視野にいれるしかありません。
その地域でのインターネット利用人数が多くて、通信が不安定になっている可能性があります。
ベストエフォート方式である限り、絶対に安定する回線は存在しません!
よくある質問
よくある質問をまとめました。
- Ping値ってなに?
-
Ping値とは、データが送信元から目的地まで往復する時間のことです。
- レイテンシとは?
-
レイテンシとは、データが届いた(片道)時間、またはそれが帰ってきた(往復)時間です。
fast.comでは負荷を考慮した測定ができます。
- レイテンシとPingの違いは?
-
レイテンシとPingの違いは、片道なのか往復時間なのかの違いです。
- ジッターとはなんですか?
-
ジッターとは、Ping値のゆらぎを表します。
ゆらぎが少ないほうがインターネットが安定します。
まとめ
最後に通信速度関係の単語の意味についておさらいします。
- Mbps=送受信可能なデータ量
- Ping値=応答時間
- レイテンシ=Pingとほぼ同じ意味
- アンローデッド=負荷なし測定での応答時間
- ローデッド=負荷あり測定での応答時間
- ジッター=Ping値のゆらぎ
これら単語の意味が分かれば、自分の端末側、周辺機器側の問題か?契約プランやサーバー側の問題なのか?など問題の切り分けのヒントになります。
1個ずつ数値を見て判断していきましょう。