光回線の速度が遅くなる原因を、自分側起因(PC、スマホ等)ではなく外部的要因で発生する遅さについて解説していきます。
基本的な知識がある方は、ルーターの再起動や周波数の違いの理解、LANケーブル等の規格確認など一通り試していると思います。
それでもダメなら、外部的要因が理由で遅くなっている可能性が高いです。
ではさっそくこの記事の結論です。
光回線が遅くなる原因はNTTが管理している網終端装置が原因。
網終端装置を通らない「IPv6/IPoE&IPv4 over IPv6」を提供するプロバイダにすべき
大手光回線の訪問販売5年
常に売り上げトップ3位以内
5社を超える代理店に光回線の教育
スマホ,PC等の販売、初期設定3年
個人宅のWi-Fi調査500件以上
デジタル庁から【デジタル推進委員】に任命
一般社団法人 日本支援技術協会から【デジタルアクセシビリティアドバイザー】に任命
【前提】光回線の仕組み
下記の図解をなんとなく頭にいれてから次の章から読み進めてください。
- 回線事業者(この図だとNTT東日本)
-
インターネットの回線を提供している会社のこと。
インターネットにつなぐ際は、回線事業者が提供する回線が必要です。 - ISP(プロバイダ)
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プロバイダはインターネットと回線事業者が提供する回線をつなぐ接続事業者です。
NTTの回線を間借りして、お客さんに光回線を提供しています。
NTTの網終端装置が原因で遅くなっている
回線が遅くなる外部的要因は、NTTのPPPoE接続用の(一般的な接続方法) 網終端装置 (図のAの部分)が混雑しているからです。
プロバイダとしては設備を増強して混雑を解消したいのですが、プロバイダがNTTへ網終端装置の増設を申請しても増設条件が厳しく、許可されません。
それに加えインターネットの利用者数は爆発的に増えているのに、NTTは増設基準を全く見直そうとしません。
NGNのISP接続(PPPoEとIPoE)に関する当面の方向性
- PPPoE方式
NTT東日本・西日本が増設可否を判断
(見直し中。増設基準の基本的事項は接続約款記載予定)- IPoE方式
接続事業者が自由に増設することが可能
ずっと見直し中のまま。増設基準が古い。
NTTの怠慢、プロバイダへの責任転嫁
お客側でNTTに遅くなっていることを連絡しても「プロバイダ側の装置で 輻輳 が発生している」とプロバイダの責任にされることが多いです。
網終端装置が混雑している以上、ISP側装置の帯域も逼迫しているのはある意味当然で間違いではないです。
しかし、網終端装置の増設を不明瞭な基準で却下した上で、 あたかもNTT側に非がなくISP側の意図で増設がされていないように振舞うのはよくないですね。
プロバイダを変えれば回線速度は改善する可能性あり
上で説明してきた通り、遅い原因はNTTの網終端装置なので、自分たちに出来ることは1つ。
プロバイダを変更するか、回線業者を変える
網終端装置の増設の審査が通った希少なプロバイダか、加入数が少ないプロバイダであれば負荷が少ないので、そのプロバイダを選択できれば回線速度が期待できます。
とはいえ、どのプロバイダが当たりかは使ってみないと分からないので、自分側の回線が遅くなる原因を全て潰しても改善されない場合は、さっさとNTT回線以外に乗り換えしたほうがいいです。
失敗しないプロバイダ選び
プロバイダは必ず「IPv6/IPoE&IPv4 over IPv6」サービスに対応したプロバイダにしましょう。
この接続方式であれば網終端装置を通らないので、混雑を回避することができます。
IPv6/IPoE&IPv4 over IPv6の利用者は増えているので、プロバイダでIPoE接続方式の設備増強は都度していただかないといけないですが。
他の視点からの混雑要因
光回線は1本の光ファイバーを32世帯で共有するようになっています。これは賃貸も戸建ても同じです。
なので時間帯によって混雑して遅くなるのは正直な所、当然な面もあったり。
電線にこんな黒い箱や白い箱がついているのをみたことがありませんか?
この中で光ファイバーが分岐されて各家庭に伸びています。
分岐される場所は賃貸と戸建で少し違いますが、最終的には32分岐で同じです。
「マンションタイプの回線は各部屋に分配されるのに対し、ファミリータイプの回線は単独で配線されるから速い。」といわれてるのは間違っています。
ファミリータイプでも分岐先が混んでいれば遅くなります。
分岐先が集合住宅よりは埋まりにくいので、ファミリータイプの方が速いと言われているだけです。
利用者数は伸びている
現在では、光回線を契約していない方が珍しいくらいです。
下図を見てわかる通り2003年から爆発的に光回線の加入者数が増えています。
総務省 我が国社会のデジタル化の進展によると、近年はワイヤレスホームルーターの普及で光回線の加入件数はすこし減ったものの、世界的に見ても日本はトップレベルの普及率です。
回線速度平均の一覧
あまり参考になりませんが(回線選びはその地域で使ってみないと遅いか早いか判断できない為)一応集計してみました。
みんなのネット回線速度さん参照(2023/5/18時点)
サービス名 | 測定件数 | 平均Ping値 | 平均ダウンロード速度 | 平均アップロード速度 |
---|---|---|---|---|
1位 eo光(イオ光) | 112535件 | 15.37ms | 688.84Mbps | 575.35Mbps |
2位 NURO光 | 403135件 | 11.51ms | 586.65Mbps | 534.46Mbps |
3位 コミュファ光 | 71380件 | 15.19ms | 567.15Mbps | 519.71Mbps |
4位 auひかり | 202108件 | 15.83ms | 484.09Mbps | 465.82Mbps |
5位 BBIQ光 | 55868件 | 25.33ms | 456.66Mbps | 380.57Mbps |
6位 ソフトバンク光 | 499722件 | 15.92ms | 322.19Mbps | 266.38Mbps |
7位 Yahoo! BB 光 with フレッツ | 47305件 | 17.06ms | 300.08Mbps | 217.58Mbps |
8位 So-net 光プラス | 90829件 | 15.8ms | 274.47Mbps | 278.81Mbps |
9位 OCN光 | 134162件 | 18.98ms | 276.36Mbps | 231.26Mbps |
10位 ドコモ光 | 907407件 | 20.37ms | 273.73Mbps | 242.18Mbps |
11位 フレッツ光ネクスト | 837623件 | 22.74ms | 273.6Mbps | 224.71Mbps |
12位 ビッグローブ光 | 126148件 | 18.91ms | 266.84Mbps | 235.17Mbps |
13位 ぷらら光 | 70870件 | 21.79ms | 257.17Mbps | 198.51Mbps |
14位 楽天ひかり | 234662件 | 20.6ms | 242.79Mbps | 226.32Mbps |
15位 @nifty光 | 48042件 | 14.14ms | 185.46Mbps | 222.52Mbps |
まとめ
最後に「光回線の速度が遅くなる外部要因」についてのまとめです。
- 網終端装置が原因で遅くなっている
- プロバイダは設備を増設したいがNTTがさせてくれない
- 網終端装置が原因で遅いならプロバイダか回線自体を乗り換えるのが最適解
こんなに利用者数が増えて設備を逼迫してるので、従量制や使用上限が決められたりして。
そうなったら嫌だなー。
最後まで読んでいただきありがとうございました。